2006.08.12土




トレッキング開始 
 朝10時からいよいよ乗馬トレッキング開始。

このためにモンゴルにきたのだ、おもいっきり、走れる。

鞍をつけた馬が3頭いた。(あれに乗るのか)と思いきや。
通話訳のHさんが「あの馬は日本人のおばあちゃんたちが乗る馬」だと言う。
おばあちゃん側の通訳さんと昨日会った馬の道案内Dさんが乗る馬のようだ。

 それなら、私の乗る馬はどうしたかと言うと、『明日だと勘違いして馬の準備ができていない』 そうだ。

「さすがモンゴル。こんな大自然で生活していたら、日にちなんかわかんなくなっちゃうんだろうなあ」。

ぼくは通訳さんに「ズゲール。ズゲール。(大丈夫。大丈夫)」とモンゴル語で余裕を見せた。
通訳さんは「ズゲールじゃありません。」と日本語で言うので、
(こういうときにズゲールというモンゴル語はおかしいのかな。)と思ったが、
通訳さんが続けて「馬が来たら、私は文句をいいます」と言ったのを聞いて、
(なんだそういう意味か。ズケールは使えるな)」と自信を持った。

 馬は隣の村から来る予定だったらしい。
すぐ来るのかと思ったら、かなり事態は深刻なようだった。
車で様子を見に行くと、1台車が出て行った。
しかし、 しばらくしても、車は戻ってこない。

別の村からも馬を借りれないか交渉してくると、さらに1台車が出て行った。

 おばあちゃんTさん一行は、僕と同じコースということでいっしょに出発するつもりで僕を待っている。
それは申し訳ないから、僕の通訳のHさんとおばあちゃんの通訳のDVさんに先に行ってくれと頼んだ。
 おばあちゃん一行が出発することになり、ぼくは、すかさずモンゴル語で「ダラー オールズイ(また、会いましょう)」と言った。

馬の案内人Dさんと通訳のDVさんが意外な言葉に驚いたようであった。

 馬の案内人Dさんが「オ!! ダラーオールズイ!!」と返してくれた。
通訳のDVさんは「私の日本語よりモンゴル語上手ですね」と言ってくれた。私は心の中で有頂天になっていた。

 後でわかったが、二人は僕がかなりモンゴル語ができると勘違いしたようだ。

 それにしても、1時間たっても、まだ 馬は来ない。それどころか車も帰ってこない。
 通訳のHさんと川沿いに散歩して時間を過ごしていると 、「やっと」車が一台帰ってきた。「もうすぐ馬が来る」という。

 しばらくすると、3頭の馬がやってきた。

 世話になったゲルの主人が僕のところに来て一生懸命モンゴル語で「すまない」と謝ってきた。
何を言っているのかさっぱりわからないが、相手は僕がモンゴル語わかると思っているようだ。

 僕は「ズゲール。ズゲール(大丈夫、大丈夫)」を繰り返していうばかり。
 便利な言葉だ。会話が成立しているようだった。
 僕は 寛大な日本人を演じていた。

 11時半、もうすぐ昼だ。遅れを取り戻すつもりか、常歩であるく間もなく、速歩、駈歩で走った。
ホルホグ食べちゃった
 ぼくの側の「馬の道案内」担当はNさんだ。

21歳で、10代のころ、ナーダムの競馬で騎手をしていたらしい。

 途中、Nさんのゲルによることになった。
  あわてて出てきたので、着替えくるそうだ。

 Nさんのゲルでいったん馬をおり、早くも休憩。

 そのゲルで、珍しいモノを見た。
モンゴルで有名な動物XXが足を縛られて、逆さ刷りにされ、皮をはがされていた。
写真をとろうとしたら、「とるな!!」と怒鳴られたようだったので「オチラーラ(ごめんなさい)」と言って、カメラをしまった。

向こうの方では、ドラム缶のようなもので、何か焼いていた。
羊だった。
これが有名な「モンゴル料理・ホルホグ」。

 ホルホグは羊をその場でしめ、大きな鍋に水と肉をぶちこみ、少々の野菜と塩を入れ、焼けた石もぶちこんで作った蒸し煮料理。

  通訳のHさんが
「たまたま、このゲルに来客が来ていて、普段は食べないが、お客さんにご馳走するために、ホルホグを調理している。私たちもご馳走になりましょう」と言う。

  (そんなのいいのかよ?図々しくない?)と思いながらも、通訳さんについて、ゲルの中にはいると、先ほど、焼いていたホルホグをゲルの人が持ってきてくれた。

通りすがりの旅人になんでご馳走してくれるの???モンゴルはこういうところなのだ。

ほんと。何の特もないのに、こんなことを自然にしてくれる。

 ホルホグはうまかった。
でも、脂っこく少しくどいな。
素手 で 食べるから手がベトベト。
困っていると、ゲルの子供がトイレットペーパーを差し出してきた。

「バイラーラ(有り難う)」よくできた子だ。

 ゲルの中でホルホグを食べているのは、僕と通訳のHだけ。
他の人は何も口にしない。
「なんか申し訳なくてあまり食べられなかった」

  ゲルの中にテレビがあった。
白黒で映りが悪く、とても見られたモノでないのに、ゲルの中でみんながテレビを見つめていた。
番組はロシア制作のアニメだった。

 今思えば、お礼に何かおいていけばよかったと後悔。
といっても、これというものはないんだけど。
日本のタバコなんかを事前に買って、もっていけばよかったと思う。
喜んでくれそう。